Zendesk初心者の目線でトリガと自動化についてまとめてみた
こんにちは、昴です。
今回はZendesk Supportでチケットワークフローを自動化する機能のトリガと自動化について話していきます。
トリガと自動化
トリガと自動化は、指定された条件を満たした場合に自動的にアクションを実行するように定義したビジネスルールです。
このトリガと自動化を設定しておくことで、チケットのエスカレーションを自動的に行ったり、一定時間未割当のチケットがある場合にエージェントに通知したり、様々なことができます。
これら2つの違いは時間に依存しているか、アクションに依存しているかということです。
アクションに依存して実行されるのがトリガ、時間に依存して実行されるのが自動化です。
それでは、トリガと自動化はどのように作成し、どのように実行されるのでしょうか。
トリガと自動化それぞれのアクションが実行されるまでと作成方法をまとめていきます。
トリガ
トリガは「条件」と「アクション」から構成され、特定のアクションが行われたときに起動ます。
「条件」にはトリガが実行する条件を設定し、「アクション」には「条件」が満たされたときに実行する操作を設定します。
この「条件」を満たしているかどうか確認するのは、チケットが作成・更新されたときです。
私自身理解するのに苦戦したので実際にトリガを作成しながら説明します。
トリガの作成
トリガは管理センターで作成できます。
[オブジェクトとルール] > [ビジネスルール] > [トリガ] に移動し「トリガを追加」をクリックします。
ここでトリガの「名前」、「説明」、「カテゴリ」、「条件」、「アクション」が設定できます。
まず「名前」、「説明」、「カテゴリ」を入力していきます。
今回は名前を「検証用①」、説明には「検証用のチケットにタグを追加する」、カテゴリには「検証用」と入力します。
次に「条件」です。
条件で注目すべきは「以下の条件をすべて満たす」と「以下のいずれかの条件を満たす」の2つ項目があることです。
「すべて」は設定した条件をすべて満たした場合に発動し、1つでも条件を満たさなければアクションが実行されません。
「いずれか」は設定している条件のうち1つでも満たしている場合、アクションが実行されます。
今回は前者で「検証用」という語句がタイトルにありかつ、「テスト」というタグが付いているチケットに対してトリガが起動する条件を設定します。
次に「アクション」です。
今回はこのトリガが発動する条件となっている「テスト」というタグを削除して「トリガOK」というタグを追加してみます。また優先度も「低」に変更してみます。
ここまで設定したら[作成]をクリックしてトリガを作成します。
実際トリガが実行されるか確認してみましょう。
トリガはチケットの作成・変更時に条件を満たしているか確認します。
先ほど作成したトリガの条件を満たすチケットを作成します。
トリガ実行後
タグが変更され、優先度が「低」になっていますね。
無事トリガが実行されたことが確認できました。
トリガ作成時の注意事項
- アクティブと非アクティブ
トリガ一覧から指定した起動しないように非アクティブにすることができます。
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トリガを発動させないように
トリガが実行されるとチケットは更新されたことになります。つまりトリガが実行される毎にほかのトリガの条件を確認することになります。そのためトリガをループしないように対策することが大切です。(例)トリガAのアクション「タグ①を追加」→トリガBの条件「タグ①を含まない」 -
カテゴリに整理する
チケットが作成・更新されたときに実行されるトリガはチケット対応を効率化できます。 ですが、増えすぎてしまってはどこにどのようなトリガがあるのかわからなくなってしまいます。 そのためトリガ作成時にカテゴリ分けしておくことで大量のトリガを管理することができます。
自動化
自動化はトリガと同様に「条件」と「アクション」から構成され、条件を満たしたときにアクションが自動的に実行されます。
自動化がトリガと異なる点は時間に依存しているという点で、終了になっていないすべてのチケットに対して1時間ごとに実行されます。
つまり終了になっていないチケットに対して1時間ごとに条件を満たしているか確認し、条件を満たしていればアクションが実行されます。
自動化の主な使い道としては以下のような場合があります。
- 担当のチケットが未解決のまま一定時間経過した際に担当エージェントに通知する。
- 「解決済み」となったチケットが一定日数経過した際にチケットを「終了」にする。
- 優先度が「緊急」のチケットが一定時間放置されている場合に設定したテキストメッセージを送信する。
- etc...
自動化の作成も実際に作成しながら説明します。
自動化の作成
自動化は管理センターで作成できます。
[オブジェクトとルール] > [ビジネスルール] > [自動化] に移動し「トリガを追加」をクリックします。
ここで自動化の「タイトル」、「条件」、「アクション」が設定できます。
まず「タイトル」を入力していきます。
今回は「自動化検証用」とします。
次に「条件」です。
条件で注目すべきは「次のすべての条件を満たす」と「次の任意の条件を満たす」の2つ項目があることです。
これはトリガの場合と同じで、「すべての」は設定した条件をすべて満たした場合に発動し、1つでも条件を満たさなければアクションが実行されません。
「任意の」は設定している条件のうち1つでも満たしている場合、アクションが実行されます。
今回はで「トリガok」というタグがありかつ、優先度が「低」であるチケットかつ、ステータスが「待機中」であるチケットに対して自動化が実行される条件を設定します。
次に「アクション」です。
今回はチケットのステータスを「終了」にしてみます。
ここまで設定したら[自動化の作成]をクリックして自動化を作成します。
検証として先ほどトリガの検証用で作成したチケットのステータスを「待機中」に変更し、しばらく待ちます。
自動化実行後
「チケットは終了してます」とあるので、チケットのステータスが「終了」になっていることが確認できました。
自動化作成時の注意事項
- 自動化が確実に1回だけ実行されるようにする
同じ自動化を何度も実行しないように、1度のみ実行されるように「条件」と「アクション」を決めます。 例えば条件にはステータスを「解決済み」と設定し、アクションにステータスを「終了済み」とすることで同じ自動化の条件を満たさなくなります。 ほかにもタグを利用して自動化が繰り返し実行されることを回避することもできます。 -
必ずしも1時間ごとに実行されるわけではない
自動化は1時間ごとに実行されますが、必ずしも1時間ごとではなく1時間を過ぎて5分後に開始されることがあります。 これは1時間で自動化が処理できるチケットの数が1000までだからです。 1000を超える数のチケットを処理する場合、超えた分は1時間を過ぎてから処理されます。 -
自動化が実行される際の時間差
自動化は時間に依存して条件を確認しています。 そのため時間差が生じることがあります。 例えば自動化の条件が「ステータスが解決済みになってから1時間後」であった場合、最後にチケットを確認してから5分後に「ステータスが終了済み」になったとすると、次の1時間後の確認時はまだ終了済みになってから55分しか経過していないため条件を満たしていないことになります。 そのため実際に条件を満たして自動化が実行されるのは1時間55分後となり、時間差が生じてしまいます。
まとめ
今回はトリガと自動化について説明しました。トリガと自動化はチケット対応を効率的にするために自動的にアクションを実行する便利な機能です。 これを使いこなすために同一のトリガや自動化が繰り返し実行されないように、条件を1度しか満たさない工夫、トリガや自動化の数が増えてきても管理できるように、タイトルやカテゴリ分けを考えて作成することなどが大切です。
参考記事
Zendeskヘルプ > Support > Supportの使い方 > ビジネスルール > トリガとそのしくみについて
Zendeskヘルプ > Support > Supportの使い方 > ビジネスルール > 自動化とそのしくみについて